私は実際に、子供の頃からアトピーに悩まされている1人です。比較的そこまで症状はひどくないですが、体が痒くて眠れないときもあるし、人目につくので気にしています。
病院で外用のステロイドの塗り薬と、たまに痒み止めの内服薬をもらっていますが、なるべくなら薬に頼らずに治療したいものです。
現在は、オーガニックのキャリアオイルで日頃からケアしています。
キャリアオイルには様々な種類がありますが、アトピー性皮膚炎に対して有効に働くおすすめのオイルは、以下の3つです。
- 月見草オイル(イブニングプリムローズオイル)
- ボリジ(ボラージ)オイル
- ホホバオイル
このページでは、この3つのオイルについて詳しく説明しています。
月見草オイル(イブニングプリムローズオイル)
イブニングプリムローズオイル(月見草油)は、イギリスやドイツ、フランスなどでは、実際にアトピー性皮膚炎の治療に用いられているオイルとして知られています。
成分であるリノール酸(60~70%)、γ-リノレン酸(10~15%)などの多価不飽和脂肪酸が多く含まれており、アレルギー性皮膚炎に対して有効とされています。
リノール酸は、皮脂腺を活発化させ、肌の水分を保つ働き(保湿効果)があります。
一方、γ-リノレン酸には、新陳代謝を活発にして免疫力を向上させる働きがあり、アトピー性皮膚炎や湿しんなどのアレルギー性のものに有効とされています。
また、γ-リノレン酸には抗炎症作用もあるので、肌のかゆみを抑える働きもあります。
これらの成分から、アトピー性皮膚炎や湿しん以外にも、アレルギー肌、乾燥肌や老化肌、ヒビ割れ肌に役立つとされています。
また、敏感肌の方にも使用できるオイルなので、安心です。
ちなみに、γ-リノレン酸にはホルモン様作用もあります。ホルモンの分泌を調整するので、月経痛やPMS、更年期障害などの女性特有の症状にも有効です。
ただ、てんかんの方は使用を避けたほうが良いとされています。
ボリジ(ボラージ)オイル
ボリジオイルは、月見草油と成分と作用が似ており、近年では月見草オイルの代替用として使われることがあるオイルです。
大きな違いは、リノール酸とγ-リノレン酸の含有量です。
ボリジオイルには、アレルギー性皮膚炎に有効なγ-リノレン酸が、月見草オイルの約2倍含まれています。
ただ、保湿効果のあるリノール酸は、月見草オイルよりも少ないです。
以下の表を参照下さい。
リノール酸 | γ-リノレン酸 | |
---|---|---|
月見草オイル | 60~70% | 10~15% |
ボリジオイル | 30~40% | 20~25% |
アトピー性皮膚炎に対して、どちらのオイルを使用しても良いと思いますが、医療機関で活用されてきた歴史のある月見草オイルの方が、適していると言えます。
ただ、月見草オイルの方が、価格が高めではあります。
月見草オイルとボジリオイルの性質
月見草オイルとボジリオイルの両方とも、γ-リノレン酸が含まれている為、酸化しやすいので、保存方法や試用期間には注意が必要です。
熱や光を避けた冷暗所(冷蔵庫や棚など)で保管し、開封後は空気に触れないようにフタをしっかりと閉めて、1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。
月見草オイルとボジリオイルの両方とも、わずかな香りがありますが、気にならない程度です。肌への浸透性は優れています。
粘性のあるオイルなので、一般的に他のメインとするキャリアオイルに、10~20%の割合でブレンドして使用されています。その方が使いやすいです。
となると、メインとなるキャリアオイルが必要となってくるわけですが、おすすめなのはホホバオイルです。
ホホバオイル
メインとするキャリアオイルで有名なのは、ホホバやグレープシード、スイートアーモンド、ピーチカーネルなどがありますが、おすすめなのはホホバオイルです。
全ての肌質に使用できるオイルで、また、肌への感触もシルクのように滑りがよく、油っぽさがありません。油っぽいオイルとブレンドすると、滑りを軽くしてくれます。
ボディーやフェイシャル、頭皮など、あらゆる用途に使用できる万能オイルです。
効能としては、ワックスエステルという成分が多く含まれており、皮脂の分泌を調整する作用があるため、乾燥肌や脂性肌などの全ての肌質に対して有効なわけです。
特に、肌の炎症やニキビ、脂性肌、老化肌に対して有効とされており、シワやシミの予防にも役立つとされています。
キャリアオイルとして販売されていますが、正確には液状ワックスです。低温(5℃以下)になると固まりますが、常温で液体に戻り、品質も劣化しません。
長く品質を保てることから、1年以内を目処に使い切れば大丈夫なので、使い勝手も良いです。
さらに効果を上げるには?
月見草オイルを10%、ホホバオイルを90%の割合でブレンドして、肌に塗布するだけでも効果的ですが、さらに、精油をブレンドすれば効果が期待できます。
アトピー性皮膚炎に対して効果が期待できる精油は、以下の通りです。おすすめ順に掲載しています。
- ラベンダー
抗炎症作用や癒傷作用などがあり、アトピー性皮膚炎にも有効。 - ティートリー
抗菌、抗真菌作用に優れており、抗炎症作用などもあり、アトピー性皮膚炎にも有効。 - カモミールジャーマン
優れた抗炎症、抗ヒスタミン作用があり、皮膚のかゆみや炎症、肌荒れなどに効果的。ただ、値段がかなり高価。 - カモミールローマン
抗アレルギー作用や抗炎症作用があり、アトピー性皮膚炎やじんましん、かゆみなどに有効。ただ、値段がかなり高価。 - メリッサ(レモンバーム)
抗アレルギー作用や抗炎症作用があり、アトピー性皮膚炎や湿しんなどに有効です。
初めて使用する際には、ラベンダーかティートリーがおすすめです。
ラベンダーは比較的好まれやすい香りで、リラックス効果や安眠効果もあります。また、ティートリーにはリフレッシュ作用があり、気分転換に役立ちます。
使用方法
1.ビーカーにキャリアオイルを入れる
まず、ビーカーを用意して、月見草オイルを10%、ホホバオイルを90%の割合で入れます。
初めての方は、月見草を約1ml、ホホバを約9ml入れて、合計10mlを作ってみましょう。
ちなみに、全身をトリートメントする場合は、30~50ccが目安となります。
ビーカーだと分量の印があるのでブレンドしやすいですが、無ければお皿などでも大丈夫です。ただ、そのお皿はキャリアオイル専用に使うようにしましょう。
2.精油を垂らす
次に、精油を2滴垂らします。(10mlの場合)
メーカーによって異なりますが、一般的に精油1滴は0.05mlです。
精油の量は、キャリアオイルの量の1%以下の割合になるようにします。
そして、ガラス棒でかき混ぜます。
3.体に塗布する
出来上がったオイルを少しずつ手に取り、体に塗布していきます。(お風呂上りが体に浸透しやすいです。)
初めての方は、事前にパッチテストを行いましょう。上記で作成したオイルを少し肌に塗布して、24時間ほど様子を見ます。異常が無ければ使用するようにしましょう。
信頼のおけるメーカーのものを選ぶ
キャリアオイルや精油は、肌に塗るものなので、信頼のおけるメーカーのものを選びましょう。最近では100%天然ではなく、合成のものなどが安価で販売されているので、注意が必要です。
また、なるべくオーガニックのもの選んだ方が、より安心です。
おすすめなのは、生活の木のオイルです。日本のアロマテラピーの先駆け的な存在であり、信頼のおけるブランドです。
このページで登場してきたグッツを、それぞれリンクを貼っておきますので、参考にされてください。
以上、「アトピーに効果的なキャリアオイル」でした。参考になれば幸いです。